ピアスナットと溶接ナットとの比較

2019.03.04

ピアスナットと溶接ナットとの比較

1.作業工程の比較

上記の図でご確認いただけるように、ピアスナットでは①の溶接工程が不要になります。また複数のナットを同時に取付け可能なため溶接ナットのように1つずつ溶接する手間が省け、各工程に伴う運搬業務も不要になります。もちろん、溶接を必要としないので塗装工程も不要になります。
また、仕掛品もありませんので、工場スペースが節約できます。

ピアスナットは、塗装・メッキ後の取付けが可能なため、取付け後にねじ山の不要な塗料の除去や溶接時にでるスパッタ除去のためのリタップ作業も必要ありません。

2.コスト比較

  溶接ナット ピアスナット
大規模な受電設備 不要
1個当りの取付けに要する電力 約65KVA 不要
使用設備 マルチ溶接スポット溶接機 ※1個宛の手作業では機械台数・人員を多く必要とします 不要
お手持ちのプレス機にアタッチメントの取付けが可能
工具消耗品 電極の消耗が甚だしく、高価で点検、修理、交換などの管理コストが大きくなる ナット自身が1個ごとに新しいパンチとして働くのでパンチの寿命は半永久的なものです
取付けコスト 同時自動作業が困難なため多くの機械や多くの工程を必要とする 1台のプレス機で同時に多数の穴あけとカシメ作業が完了
運搬 成型工場から溶接作業場への運搬・半製品の品質管理、在庫管理などのコストがかかる 単一作業場内で組付けが完了するのでコストが削減できる
その他 溶接条件や工具の管理が難しく溶接強度が不安定になりやすいと同時にタレ込みによるネジの干渉にも要注意 溶接後メッキまたは塗装を施さなければならないためリタップ作業が発生する。前もって穴あけ処理が必要なため最終組立時に不要になった穴を塞ぐためのゴム栓とゴム栓の取付け費用がかかります 取付け強度が安定しており、取付けの際のネジの干渉もない。メッキまたは塗装後の取付けが可能なためリタップ作業は不要。取付け時にナットと一緒に穴をあけるため不要な穴をあける必要がない

3.作業性・機能性の比較

  溶接ナット ピアスナット
環境にやさしい 油煙やスパッタが出るため、人体に有害。消費電力も大きくかかります。 人体に有害な油煙や品質不良の原因となるスパッタが出ない。パネルの成型と同一のため、ピアスナット取付けの電力は不要になります。
作業管理が楽である 溶接は手作業で自動化が難しいので、人手を要しこのために外注に出すことが多いが品質管理や半紙品の在庫、運搬管理に多くのスタッフが必要となります。 パネルの成型と同一機械または同一作業場内で自動的に取付けできるので、作業管理がしやすい。
熟練や勘がいらない 自然発生する条件(電流、サイクル、空気圧、電極の磨耗)に備えて、絶えず勘を働かせ熟練しないと安定した取付けは保証できません。 プレス作業の予備知識があれば、工具の取付け、ナットの取付け作業は誰にでもすぐマスターでき、仕上がりのバラつきがありません。
アッセンブリ強度に信頼がおける 上記のような条件の自然変動、熟練の程度などにより溶接強度が変動して不安定。 変動する条件が殆どないので、アッセンブリ強度が安定し、信頼性が高まり、条件の煩雑さから開放されます。
組付け面のシール 溶接ナットはシール機能はありません。 パイロットの全周がクリンチされるので、殆ど完全にシールする事ができます。
各種表面処理材との適合性 殆どの場合、取付け不可。 メッキまたは塗装の終わったパネル、熱伝導性、通電性の悪いパネルにも容易に取付け可能。
ナット欠け
(ナットの取付け漏れ)
人的管理による作業のためナット欠けの発生もあり得ます。 ナットの有無を電気制御してプレス作業を行いますのでナット欠けの発生はありません。

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